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ホールマーク(刻印) - MAIKO NAGAYAMA Jewellery

GENEAL INFORMATION

ホールマーク(刻印)

ホールマーク(刻印)

英国では、法律で定められたこれらの刻印をホールマークス(hallmarks)と呼び700年もの歴史があります。
英国では、同国の「Hallmarking Office(ホールマーク刻印事務局)」が打刻したホールマークのない貴金属製品は英国内での販売が許可されません。例えば銀製品の場合、1000分の925の純度で銀が材料として使用されると、製品に純分を表すマーク、例えば「925」が刻印されます。因みにこの純度の銀は、Sterling Silver(法定純分の銀)と呼ばれ、銀の世界標準とされています。この制度は、英国ホールマーク法(UK Hallmark Act)により厳しく管理されています。日本国内では英国法によるホールマークの打刻はできません。一方、日本にも貴金属の純度を証明するマーク制度がありますが、日本の制度は、英国では法的に認知されません。

英国のホールマーク制度は、14世紀に原型が始まり、今日まで英国ホールマーク法により長く守られています。これは、貴金属製品の品位に信頼を与え、市場での製品流通を安定させるとともに、消費者保護を図るとの長い伝統によるものです。1300年、イングランド王エドワード1世の時代、当時、粗悪な金銀製品が出回っているのをなんとかしなくては、と考えた王は、

  • 消費者を守る
  • 製造業者同士の公平さを保つ
  • 市場の安定と成長を促す

という3つの目的から、一定基準の純度以上の金銀製品しか販売してはいけないというおふれを出しました。
それを受けて、ザ・ゴールドスミス・カンパニー(英国の貴金属細工職人(Goldsmith:金匠)の組合:英国で最も古い貴金属の監査法人)が設立され、カンパニーの監査人たちはロンドンの工房をまわり、金銀製品の純度をひとつひとつチェックしました。検査に合格した製品には、その場でイングランド王の印である豹(ヒョウ)の顔のマークを刻印し、不合格の製品は、厳しく廃棄・没収処分となりました。

ザ・ゴールドスミス・カンパニーはロンドンにGoldsmiths' Hall(金匠会館)を建て、1478年には、工房の数が増えて監査人が一軒一軒出向くことはできなくなったためザ・ゴールドスミス・カンパニーの建物内にアセイオフィス(Assay Office)と呼ばれる鑑査室が設置されました。それ以降、組合加盟の細工職人がアセイオフィスへ貴金属製品を持参し、綿密に検査し、合格した製品にのみ証明印として(ホールマーク)刻印してもらうという手順に変わりました。

日本では、1929年に貴金属製品へ品位証明記号を刻印する制度が発足し、現在に至っています。この品位証明制度は任意のものですが、我が国のほとんどの貴金属関係の製造業者や販売業者は、白金、金、銀等の貴金属の地金や製品の取引をする際には、品位証明試験と刻印を権威ある機関に依頼するのが慣例になっています。この証明記号は、日本でも「ホールマーク」と呼ばれ、独立行政法人造幣局(東京支局)により刻印されます。ホールマークの国際団体としてホールマーキング協議会(HMC:Hallmarking Convention)が、スイス・ジュネーブにあります。同協議会の品位認証マーク「MMC」を有する貴金属製品は、加盟国間では品位証明済み製品として取引されます。ただし、同協議会への加盟国は少なく、英国は加盟していますが、日本は加盟していません。
英国のアセイオフィスの刻印を持つ品は、品質のしっかりした製品として安心して購入できるとともに、その品物を制作した工房、貴金属の種類と純度、検査を行った監査会社、時にはその検査年まで、消費者へ明確な情報を与えてくれます。
マイコナガヤマのオートクチュールジュエリーにも全て、ロンドンのアセイオフィスによるホールマークが刻印されています。